引っ越しって、本当に大変ですね
二十三のときに付き合っていた彼女のお姉さん夫婦が、家を改築するために一時期、近くのアパートへ引っ越すというので、その手伝いを頼まれたことがあります。引っ越しといえば、私は高校を卒業したときにアルバイトをしていましたので、ある程度なら力になれると思い、快く了承しました。それに私は体力だけにはまだまだ自信がありましたから。
彼女のお姉さん夫婦の家は、都心から電車で一時間ほどのところにありました。私は彼女と二人でまずお姉さん夫婦にご挨拶にうかがうと、「さあさあ、まず朝ご飯を食べて」と、誘われるままに朝食をご馳走になったのです。その日は私たちの他にもお姉さんの旦那さんの友人も一人きていました。ですからその日の引っ越しは、ほとんどこの男三人で行うことになるわけです。
朝食が終わるとさっそく引っ越しが始まります。まず、私たちは重い家具類をトラックに積み込む作業をしました。その家はかなり大きかったので、当然のことですが、こうした大きな家具類がたくさんある。家具類だけ新居に搬送するのに、ニトンのトラックで四周も回ったのです。本当のことを言いますと、この時点で私の体はズタボロでした。
それでとりあえず、昼食にしようということになり、私たちは近くの中華料理のお店に連れて行かれ、そこで好きなものを注文してくれと言われました。好きなものと言っても、図々しくあれが食べたいとは言えずに、とりあえず私は中華麺を注文したのですが、お姉さんが「それじゃ、体もたないから」と言って、これに点心をいくつか注文したのです。
腹もふくれ、さあ、午後からは小物の搬送です。これがまた大変でした。確かに小物は家具類に比べれば軽いものばかりなのですが、量がハンパじゃありませんでした。大きなタッパにいくつも出てくる。いったい何が入っているのだろうか、と気になってしまいます。それほど重いものではないのですが、家からトラックの荷台まで何往復もするので、これはこれで疲れます。
さて、夕方になり、引っ越しが終わりました。私は腕も足も腰も、もうダメージだらけでした。引っ越しって、本当に大変ですね。